Greeting

ご挨拶

平安時代から続くその技術を
後世にも残していく

日本刀は、その威風堂々たる佇まいと優美さで国内のみならず世界中の人々を魅了しています。特に昨今は空前の日本刀ブームと言っても過言ではありません。多くの方々が、日本刀に興味を持ち、そしてコレクションすることは、私たち日本人にとってもとても誇らしくあります。

しかし、一方では現代における日本刀作りにおいては、昨今、後継者不足により作刀の技術伝承が危ぶまれている事態ともなっています。ブームとは裏腹に、刀を製作する環境が安定していない上に、鉄などの原材料も軒並み高騰を続けています。そして日本刀は、刀鍛冶一人の力だけでなく、研師、白銀師、鞘師、塗師、金工師、彫師、柄巻師といった刀職者と呼ばれる人達の手に渡ることで完遂させるため、先行投資も多くなり、無名で若手の刀匠ほど資金繰りも苦しいという事態も招いています。そして、これからもこの状態が継続していくとしたら、千年以上に渡り脈々と続く日本刀の作刀技術が風前の灯火にもなりかねない事態なのです。

そこでこの度、全国に170人以上の刀鍛冶で構成された最大の組織、全日本刀匠会との提携により私たち東山堂が立ち上げたのが、この現代美術刀剣の専門店、ギャラリー東山堂なのです。ギャラリー東山堂では、全日本刀匠会に所属する若手から上位の刀匠達が、持てる技量を発揮して丹精込めて作り上げた至上最高峰の作品を展示、そして販売しています。これにより、多くの方に現代美術刀剣の素晴らしさを知ってもらい、そして購入いただくことで、刀作りという伝統を支える刀職者を応援することができるだけでなく、平安時代から続くその技術を後世にも残していくことができるのです。

京都へお越しの際は、ぜひギャラリー東山堂にお立ち寄りいただき、現代に息衝く刀職者達の血と汗の結晶を篤とご覧ください。

代表取締役会長兼社長

木村隆彦

サイン:木村隆彦
写真:木村隆彦

私共刀匠の技術向上は
作品が多くの皆様の目に
触れること

全日本刀匠会は、本年設立から48 年を迎えました。日本刀製作技術の保存、継承。新作日本刀の普及啓発。刀職者間の交流。刀匠の地位保全などを設立の趣旨としてまいりました。設立当初から、大きな組織の下で展覧会などの事業を展開してまいりました。

様々な事情から、平成18年に大きな傘の下から離れ、独立いたしました。刀鍛冶である私共が、仕事をすると同時に、組織の運営に携わるという言わば2足の草鞋は大変ではありましたが、自分たちのことは自分たちで考えようという理念の中から、新しい発想を見出したことは意義の深いことでありました。折しも日本刀ブームの到来と重なり、アニメーションやゲームキャラクターなどとのコラボレーションによる事業は大きな成果を上げました。

また毎年開催しております「お守り刀展覧会」は本年16回展の開催となり、お守り刀に限定された特色のある展覧会として定着しております。

この度、「ギャラリー東山堂」の開設にあたり、株式会社東山堂様と業務提携をすることとなりました。古都京都に新作日本刀の拠点ともいうべきギャラリーの開設は、私共刀匠の大きな励みとなるばかりでなく、新作日本刀の愛好家の皆様、観光で訪れた方、特に海外からのお客様はじめ多くの皆様に新作日本刀に触れていただく好機となります。


私共刀匠の技術向上は何よりも作品が多くの皆様の目に触れることであると思います。今後、常設展示はもちろんのこと、個展をはじめとして、同人展やグループ展などの活用、刀匠と異業種間でのコラボ展など魅力ある企画の期待が持てます。

刀匠会一同、東山堂様の新作日本刀の発展に寄せる情熱に敬意を表し、共に力を尽くしますことをお約束し、ごあいさつといたします。

全日本刀匠会会長

宮入小左衛門行平

サイン:宮入小左衛門行平
写真:宮入小左衛門行平